結婚・離婚

離婚したら親権は夫婦のどちらが?子どもとの関係性はどうなる?

離婚したら親権は夫婦のどちらが?子供との関係性はどうなる?

子どものいる家庭が離婚する際に“親権をどうするのか?”といった問題がありますが、ほとんどの場合は母親が親権を持つのが一般的のように考えられています。

離婚届には”未成年の子どもの氏名”と”どちらが親権を持つのか”を書く欄がありますが、近年では一般的と考えられていた母親が親権を持つという風潮も変わりつつあり、実家の両親や企業主導型保育事業や子育て支援などの後押しにより、父親が親権を持つことも多くなってきました。

そこには今まで当たり前とされてきたことがインターネットの普及により父親でも親権をとることができることが声高に叫ばれ始めたことも背景にあると思います。

そもそも親権とは?

親権とは、父母の養育者としての立場からくる権利義務の総称で、身上に関する権利義務、子の財産に関する権利義務、子を代理して契約を締結する権利義務の3つがあります。

よく間違われるのは「親権」という言葉だけが独り歩きし、よくわからないけどとにかく親権をとらないといけない!といったことです。

親権はあくまで”子どもの利益になるのかどうか”という観点から行使される権利であり、実際に子どもの養育や身の回りの世話をしたり、社会人としての社会性を身につけさせるためにしつけ・教育をしたりする権利は身上に関する権利義務である「監護権」で、この権利は原則として親権者が持ちますが、協議離婚の場合は親権について詳しく知らないのをいいことに監護権のみを残し、その他の親権を渡すことで知らない間にあなたとあなたの子どもが一緒に暮らせなくなるということもあります。

どちらも譲れないのが子どもの親権

離婚する際にどちらも親権を譲りたくない!となった時、一体どうすればいいのでしょうか?民法第819条には「父母が協議上の離婚をするときは、その協議でその一方を親権者と定めなければならない」とあり、「裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める」とあります。

つまり、親権者を必ずどちらか一方にきめなければならず、協議離婚でお互いにの主張が対立すれば訴訟によって裁判所が決めるということ。

しかし、離婚は原則、夫婦間の協議により決まるものですが、話がまとまらなければ家庭裁判所へ夫婦関係調整調停制度という離婚調停の申立てを行う必要があります。

調停委員と裁判官が仲介として介入してくれると同時に第三者として客観的な意見を聞くことができるので冷静に話し合うことができます。

調停が成立しない場合は裁判所が親権者を判断しますが、調停でも決まらない場合は、裁判所に親権者を指定してもらうことになり、これを親権者指定の審判手続といいます。

この判断に不服がある場合は2週間以内に不服の申立てを行うことができますが、それでも決まらない場合、最終的的には離婚訴訟に発展、訴訟には時間と費用が多くかかることはもちろんですが、他人に自身の子どもの権利を決められるという結果に。

親権者として判断されるポイント

親権者をどちらにするかお互いが納得すればそれで完了ですが、話し合いで決まらない場合は調停へ、それでも決まらない場合は審判、そして裁判へという流れで進みます。

その場合には親権者として判断してもらうポイントがあり離婚する父親と母親の立場も変わるため、その事情が考慮されるものです。ここでは子どもの親権でよくある懸念事項や事情について紹介します。

親権者として判断されるポイント

子どもへの愛情

子どもに対する愛情が大きい方が親権者としてより適切であると判断されますが、父親と母親とではその立場や扱いも変わります。

子どもと過ごした時間は当然母親の方が長く、どこの家庭でも「お母さんが1番好き、お父さんは2番ね」といった会話がよく聞かれませんか?こういった言葉を鵜呑みにすることはありませんが、働いている父親にかわって保育園や学校の手続きや病院など健康管理は母親の方がよく知っていることもあり、子どもの養育に適切な環境を整えていることをアピールするには母親の方がやはり有利と言えますね。

離婚後の経済事情

学費や生活費など、養育していくために必要な収入が定期的に得られる経済力は親権者にとって重要なポイント。

いくら親権をとっても生活の基盤が確立されておらず、収入も少なく安定した生活を送れないとわかれば誰でも親権を渡そうとは考えません。

安定した収入を持ち、経済的余裕のある方が親権者となるのは至極当然な気がします。

健康であること

健康状態が良好でない、精神的に不安定な面がある場合、離婚後の生活において子どもの健全な生活は望めません。

肉体的にも精神的にも健康であることが親権を求める親には必要とされるほか、性格に異常な側面があるといった場合も親権者としてふさわしくないと判断されるため、離婚による体力消耗や精神的苦痛などもあるかもしれませんが、肉体的・精神的に健康であることを心掛けましょう。

子育てに十分な時間があるか

子どもと一緒に過ごせる時間が多い、離婚した後は片親になることもあり子ども優先のライフスタイルを維持できるかは重要です。

いくら経済的に余裕があったとしても仕事が忙しすぎて子どもの相手をしてあげられないとなれば話になりません。

これまでと将来的な監護状況

従来の監督状況は親権者としての判断材料のひとつとされています。

これまで、子どもの育成や教育への関わり方や子どもとの接し方といった客観的な事実、適切な監護ができていたかなどは離婚が成立した場合の将来的な監護状況が推測できる要素となります。

母親だから常に有利というわけでもありませんが、子どもが幼ければ幼いほど母親の温もりや母乳、産婦人科への定期健診なども鑑みるとやはり母親が有利といえます。

子ども側の事情

これまでは子どもが幼い場合が多い事情でしたが、子どもが満15歳以上の場合は子どもの意見を聞かなければいけません。

また、離婚により実家への帰省による転入など学校や友達といった環境の変化、性別や兄弟を引き離さないことも考慮されるため、自身に経済的に余裕があり自由な時間も多くとれるから親権に有利というわけではなく、収入が低く仕事も忙しくて時間がないから親権はとれないといったわけではありません。

子どもの幸せと子どものためを考える

親権は親の都合で欲しい欲しくないと決めるものではなく、子どものため、子どもが幸せにすごすためにどちらが親権者としてふさわしいかが重要です。

それには離婚しないことが最良ではありますが、あくまで離婚という道を選んでしまった夫婦に付きあわされる子どもの権利義務にすぎないことをよく理解しておかなければなりません。

子どもの本当の気持ちはどうなのか、それによってはいくら親権が欲しくても無理に主張はせず、子どもと一緒にはすごせなくても面接交流で子どもとの時間を持ち、子どもの望むことや権利を優先させてあげることが子どもに対する最大の贖罪であり、大人の対応であるといえます。